青木:そうなんです。だけれども自分から入っていったのだから、つらくてもやらなきゃみたいにも思っていましたね。
和田:僕は関西(大阪)出身だから、「吉本(興業)に入って笑われたい」っていうのが関西人にとっての憧れでした。
青木:私は全く憧れていませんでしたね(笑)。
和田:笑われたくてお笑いの世界に入る人と、そんなのは関係なしに芸人が憧れの職業だと思って入った人では、だいぶ違うのかなと思います。
青木:むしろ(いじられることを)求めている方もいるのでは。私自身もお笑いの世界で誰かをいじることはありました。もちろん誰も傷つかないように言ったつもりだけど、相手を泣かせてしまったこともあるし、謝りに行ったこともあります。「こんなことで傷つくの」と思ったこともあるけれど、その人の感じ方によるかもしれない。後で後悔しました。
和田:そうですね。いかなる理由で入ろうが、いかなるパーソナリティーであろうが、いざやってみたらきついと感じることはあると思います。出身はどちらですか?
青木:愛知です。
和田:僕は関西出身だから、いじるのが親愛でした。
青木:名古屋はそんなことないと思います。笑いの感覚としては、どちらかというと東京寄りかもしれないですね。
和田:以前、タレントの清水圭さんと関西の番組で共演していたことがありました。その帰りに清水さんが言っていたんだけど、学生食堂か何かで、清水さんが席を外してトイレに行っている間に、友だちからどんぶり一杯分ぐらいの七味をうどんにドバーッとかけられたそうです。清水さんは「ウケるチャンスや」と思って、ズルズルとすすって「うま」と言った。それがめちゃくちゃウケたとか。
青木:そうなんですか。でも、その話って人によっては信じられない出来事ですよね。
和田:僕自身は(兵庫の)灘中学・高校時代に壮絶ないじめに遭ったんです。
青木:そうだったんですか。
和田:教室のごみ箱に1時間も閉じ込められるとか。一番ひどいのは柔道着でぐるぐる巻かれて、3階からつるされたこともありました。