青木さやか(あおき・さやか 左)/1973年生まれ。タレント、俳優。「どこ見てんのよ!」のキレギャグが流行。著書に『厄介なオンナ』など/和田秀樹(わだ・ひでき)1960年生まれ。東京大学医学部卒業。医師。和田秀樹こころと体のクリニック院長。国際医療福祉大学教授(撮影/写真映像部・戸嶋日菜乃)
青木さやか(あおき・さやか 左)/1973年生まれ。タレント、俳優。「どこ見てんのよ!」のキレギャグが流行。著書に『厄介なオンナ』など/和田秀樹(わだ・ひでき)1960年生まれ。東京大学医学部卒業。医師。和田秀樹こころと体のクリニック院長。国際医療福祉大学教授(撮影/写真映像部・戸嶋日菜乃)
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「いじり」で場が盛り上がってもいじられた側は傷ついていることが少なくない。「どこ見てんのよ!」で人気を博したタレントの青木さやかさんと、精神科医の和田秀樹さんが語り合った。AERA 2022年6月13日号は「いじり」特集。

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*  *  *

──青木さんは「どこ見てんのよ!」の「キレキャラ」でブレークしました。でも、お笑い芸人として、いじられて嫌だと思うことがあったそうですね。

青木:私がテレビによく出ていた20年近く前、今とは時代が違って「容姿いじり」はベーシックだったと思います。(30代以上、未婚、子なしの女性を位置づけた)「負け犬」というブームがあって、今からすると私もすごく若かったんですけれど、「おばさん」と言われるようないじり方をされました。

 あとは見た目のこと。私は女性アナウンサーになりたかったけど、なれなかったから、何かと女性アナとビジュアルを比べられることがありました。

和田:青木さんはどちらかと言うと美人系芸人だったのでは?

青木:そうでしょうか(笑)。私に自信がないからか、自己肯定感の低さからなのかわからないですけれども、何を言われても傷ついて。でも、先輩たちは愛情を持っていじってくれました。私をおいしくしようとしてくれているのはよくわかります。私は傷つきながら「ありがとうございました」って言う状況でした。

和田:そうだったんですね。

青木:いじってくださった方に、本当はもう嫌だとか、やめてほしいなと思いながら。「やめてくださいよ」って言いますと、それがまた笑いになっていきましたね。本気で嫌だと言ってしまって、先輩方に、青木は本当に扱いづらいと思われるのは嫌でしたから。

■客の笑いに傷ついた

──お笑いライブの舞台で、お客さんから笑われたときに傷つくこともあったそうですね。

青木:例えば容姿をいじられたときにお客さんが笑うということは、お客さんがいじりに共感したということですよね。それに対して傷つくことが多かったです。笑いって共感なので。多くの人が私のビジュアルをそう思っているんだとか、私の発言をこう思っているんだとかっていうことを、笑いが起きることで気づかされるということがありました。

和田:元々はお笑い志望じゃなかったんですよね。

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