青木:そうですね。
和田:いじめているのに「いじっただけ」と言い逃れする人もいるけれど、いじめている側の多くは「こいつをいじめてやる」という気持ちがあると僕はみています。つまり、ウケを狙っているわけじゃなくて、いじめて快感を得ていたり、やっつけた気分になっていたりする。いじる・いじめる側にとって、「いじる」と「いじめる」では意識が違うんです。
青木:なるほどです。
和田:ただ、受け手は違います。相手に悪意があろうがなかろうが、傷つくものは傷つきます。
青木:そう思います。
和田:話はそれますが、(ジャーナリストの)伊藤詩織さんが性的暴行を訴えた事件も、いろいろ言う人はいるけど、伊藤さんにとって不本意であれば海外の基準であればレイプです。本人が嫌がっているなら、だめだというのが基本的な認識です。ハラスメントに関しては、ようやく受け手がハラスメントだと思ったらハラスメントだという流れになってきた。それと同じで、いじりも受け手がどう感じているかが大事だと思います。
(構成/編集部・井上有紀子)
※AERA 2022年6月13日号より抜粋