ヨシタケ:これ、作られたんですか?
木村:はい。いちおう、「かわいさを奪い取られたキティちゃんとピカチュウだよ」と答えは用意しますが、もっと面白いことを言ってくれればそれでいい。きっかけを与えればどっと子どもが参加してくれるんです。
ヨシタケ:面白い! 盛り上がりますね、これ。
木村:自ら考える姿を見ると、その子の興味がわかります。ヨシタケさんの本を見せても、車にやたらと興味を持つ子も、特定の人物ばかり気にする子もいますから。
ヨシタケ:子どもの扱いが上手ですね。
木村:どんなに面白い絵本でも、一方的に話すと子どもたちの反応はすごく悪いので、一緒に物語を作る形にしています。家庭では、旅行のとき、子どもと一緒に遠足のしおりを作るのもいいですよ。(パソコンの画面を見せて)これ、以前家族旅行で、子どもと一緒に作ったんです。旅程やお土産リストを冊子にして、作る過程が楽しいんですよね。子どもの行きたい場所を聞くと、興味の方向もわかります。余白に飛行機搭乗のバーコードを貼って、ひとり1冊持たせて、飛行場で「ピッ」とできるようにすると、楽しいですよ。
ヨシタケ:すごくいいお父さんだ。なんだか申し訳なくなってきた(笑)。
木村:ヨシタケさんが作れば、すごく喜ばれるんじゃないですか?
ヨシタケ:こういうのはやれてません、僕は(笑)。
(構成/本誌・直木詩帆)
※週刊朝日 2022年6月17日号より抜粋