木村:私もこの前、子どもが数学の問題が解けない、というので家族総出で解いたんです。そうやってみんなでやると、勉強も楽しいですよね。

ヨシタケ:いつもそういう余裕があればいいんですが、なかなか……。

木村:そうですよね、私も締め切りが近づくと。

ヨシタケ:大人にも事情があることは、伝えるべきかもしれません。自分も相手も、できるときとできないときがありますから。

木村:ヨシタケさん、「部屋のそうじや身なりを整える作業は、『夜、ちゃんと寝てくれる赤ちゃんのママとパパ』がすることです」ってエッセーに書かれてましたね。そのとおりで、優先順位が大事だと思います。共働きでも、専業主婦でも、自由業でも、持ち時間には限界がありますから、それなりに優先順位をつけないと。

ヨシタケ:おっしゃるとおりですね。いま大事なことを、親が毎日判断する。それが上手になるのが、子育てが上手になることだと思うんですよね。

──先ほど、「子どもの興味」の話がありましたが、適性を見極めるにはどうしたらいいですか?

木村:長くつきあっていくしかないと思います。親として多くの時間を共有し、話を聞いて楽しみながら理解していく。その子の中にないものを、外からつけさせるのは難しい気がします。

ヨシタケ:僕は、子どものときに自分で好きなことを選びなさい、将来何やりたいの?って聞かれるのがイヤでした。決めてない自分がコンプレックスになるので。そういう子には、何かを押し付けてあげることも、親としてできることの一つで、「勘弁して、それをやるくらいならこっちをやる」って思ったときに、その子の価値観の基礎ができるはず。「なんでもやっていいよ」がハマる子もいますが、ハマらない子にはけっこうつらいんですよね。

──興味がなくてもやらなくてはいけないことは、どう伝えていますか?

木村:私は子どものとき、掛け算九九を覚えることに納得がいかなかったんですよね。なんで?って。

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