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 世間が驚く抜擢だった。6月3日、前理事長の逮捕騒動で揺れる日本大学の理事会で、芸術学部の卒業生である作家の林真理子さん(68)が次期理事長として承認された。就任は7月1日。

【写真】次期理事長として承認された林真理子さん

 今回の交代劇でにわかに脚光を浴びる「理事長」という職業。だが、その仕事内容を聞かれると即座にはイメージが浮かびづらい。大学ジャーナリストの石渡嶺司氏は言う。

「理事長は、民間企業で言うところの『社長』ないし『CEO』に相当する存在です。線引きは大学によっても異なりますが、学長が教学面のトップ、理事長が経営面のトップを担当するという形で分かれることが多く、日大もこの形を取っています」

 ちなみに複数の分野にまたがり教育や研究を行う総合大学の場合は「学長」が「総長」という呼び名になることもある。理事長が日々携わる業務について、別の大学関係者はこう説明する。

「最も大きな役目は『承認』。新学部の設置から教員の採用や給与に至るまで、大学の資金運用や人事に関する最終的な判断を下す立場にあります。権限はあれど、理事会が開かれなければ、仕事自体はそう多くはありません。学長と違い、毎日は大学にいないという場合も多いです」

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