ペットはもはや大事な家族。読者とペットの愛おしい日常のひとコマをお届けします。今回の主役は、猫のぽてちちゃんです。
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現在の夫、当時の彼氏から「子猫を拾った。飼えない?」と電話がかかってきたのは、私が精神的に参って19年勤めた会社を退職し、「これからどうしよう」と途方に暮れていたときでした。
小雨の中、職場を巡回していた彼は、堆肥(たいひ)置き場にポツンと白いものを見つけました。そのビニール袋を回収しようと近づいたら、1匹の子猫だったのです。あたりに母猫やきょうだい猫の姿はなく、ずぶぬれでした。
このままだと死んでしまうと保護したものの、引き取り手は見つからず、私に電話したのでした。
私は根っからの動物好きですが、それまで仕事が忙しく、あきらめていました。
幸い、住まいがペット可のマンションだったこと、そして退職して時間ができたタイミングだったことで、何かの巡り合わせと子猫を受け入れることにしました。
私たちが「ぽてち」(雌)と名付けた子猫は、おそらく生後20日前後。まだ目がよく見えず、母猫のおっぱいを飲んでいる頃です。
私は実家にいた頃、猫を飼っていた経験はありますが、こんなにちいちゃい猫を相手にするのは初めて。哺乳瓶ではうまく吸い付いてくれず、注射器型のスポイトで少しずつミルクを与えました。
2時間おきのミルクと排泄(はいせつ)のお世話。大変でしたが、それがなかったら私は生気を失う一方だったでしょう。
保護したときは脱水症状で危険な状態でしたが、日に日に体重が増え、元気に走り回るようになりました。2歳を迎えた今では、カーテンレール渡りもお手のものです。
子供がいない私たち夫婦のかけがえのない家族になってくれたぽてち。出会えたことに感謝です。(宮崎県高鍋町/43歳/主婦)
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※週刊朝日 2022年6月24日号