■多くの日本の会社が抱える本質的で致命的な問題点

 意識して努力をしない限り、楽なほうを選んでしまうのが人間という生き物です。気がつけば、非常に多くの無自覚な「規範」が枠となっているのが現実です。

 無自覚な「規範」というのを具体的にあげてみると、先ほどから出てきている予定調和の考え方、前例、上司の意向、お客様の意向、社内の作法、法規、予算、部門の壁などいくらでもあります。

 無理をして面倒なことを考えるより、それで済むなら何も考えずに動くことを選択してしまいやすいのが、私たち人間です。上司やまわりの空気から、考えないことを望まれていると感じるなら、なおさらそうしてしまう人が多くなるのは当然だということです。

 この楽で無自覚な枠内思考という思考停止状態は、平成以降、多くの日本の会社がいつの間にかなじんでしまった本質的で致命的な問題点です。

 つまり、変化をめざすことが不可避である状況になっているにもかかわらず、無自覚の中にこうした多くの規範が枠をつくり上げ、思考停止を呼び起こしてしまっているのです。こういう状況に気づけば、思考停止を排除できなくなっている事態がありとあらゆるところで起きている、ということがわかります。

 そして、これこそが日本低迷の発生源と言ってもよいのです。

■無自覚な思考停止を放置してはいけない

 日本、そして、日本の会社の将来にとって問題なのは、結局のところ、思考停止という現象がまさに日常茶飯な現象となってしまっている、ということに集約されます。

 規律や作法や思惑が枠となって社員の思考を縛り、制限された行動が強く出る環境の中で、考える力は育つはずがないのです。

 枠内思考という思考停止は、身近で無自覚に根深く存在しているからこそ、最も大きなダメージを与えている、ということでもあるのです。

 日本人が持つこの無自覚な思考停止という性向を放置したままだと、経営の中枢(本社部門など)も今まで通りの発想で「混乱回避」を上位に置いた仕事を続けることでしょう。そのようなことでは、前例踏襲で動き続ける組織が減るわけがないのです。

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日本人が持つ、人間関係における強靭な強み