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皮膚がかゆい病気で代表的なものにじんま疹とアトピー性皮膚炎があります。これらがコロナワクチン接種後に発症、もしくは悪化するという研究報告があります。近畿大学医学部皮膚科学教室主任教授の大塚篤司医師が解説します。

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 皮膚科で診るかゆい病気の代表がじんま疹とアトピー性皮膚炎です。

 じんま疹は経験したことがある人も多いでしょう。蚊に刺された痕のようなぶつぶつ(この場合は膨疹<ぼうしん>といいます)が全身に地図状に広がる病気です。一つの膨疹は同じ場所に24時間持続することはなく、時間を変えて皮膚を移動するのが特徴です。

 一方、アトピー性皮膚炎は、日本では51万人が罹患しているといわれるアレルギー疾患です。全身の皮膚が乾燥し、左右対称で同じ場所にかゆい湿疹が持続するのが特徴です。

※写真はイメージです(写真/Getty Images)
※写真はイメージです(写真/Getty Images)

 じんま疹もアトピーもよく見かける皮膚病ですが、コロナワクチン接種後に発症、もしくは悪化する症例を多く見かけます。

 まず、じんま疹に関してですが、コロナワクチンのブースター接種後にじんま疹が出現した論文が報告されています。また、コロナワクチンによる皮膚の副反応405例をまとめたスペインの報告では、ワクチン接種後に皮膚の副反応がでた患者さんのうち14.6%がじんま疹だったようです。そのうちの35.6%は重症だったものの、90%近い人が抗アレルギー剤で治療可能だったとしています。

 一方、アトピーに関してはイタリアからの報告があります。イタリアではモデルナ社とファイザー社の2種類のmRNAワクチンに加え、2種類のウイルスベクターベースワクチンがコロナワクチンとして承認されています。現在、症状の比較的強いアトピーの患者さんの治療には注射製剤であるデュピルマブが使用されます。イタリアでの研究では、アトピーの症状が強いデュピルマブで治療中の患者さん480人が対象となりました。結果として2.8%のアトピー患者さんの湿疹が悪化し入院治療となったようでした。これはワクチンの種類によってアトピーの悪化の頻度が変わることはなかったようです。

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