そのほか、2019年のチャンピオンズカップを550キロで制して最優秀ダートホースに選出されたクリソベリル、2006年のジャパンカップダートを546キロで制したアロンダイト、距離万能のマルガイで頭の極端に低い走法でもファンに愛されたタイキブリザード(1997年の安田記念、536キロ)、2010年のスプリンターズステークスを540キロで勝った香港馬ウルトラファンタジーなどがいるが、前述した巨漢馬はダートか短距離向きの馬が多いという傾向が見て取れる。

 そこに真っ向からアンチテーゼとして立ちはだかっているのがキタサンブラックだ。2015年のデビュー戦は510キロでの出走だったが、さすがにヒシアケボノの時代から20年近く経って調教技術も向上し、キタサンブラックはデビューから無傷の3連勝。秋には530キロで長距離の菊花賞を制した。ちなみにこの年の菊花賞は2着リアルスティール(500キロ)、3着リアファル(506キロ)と500キロ以上の馬が上位を独占している。

 その後も長く活躍を続け、最終的にG1を7勝したキタサンブラック。最も重い馬体重でのG1勝利は2017年の天皇賞(秋)の542キロで、同年の大阪杯と有馬記念も540キロで制覇。最も軽くても16年の天皇賞(春)の524キロで、巨漢は長距離に向いてないというイメージを見事に覆してくれた。

 最後に、G1勝利には届かなかったもののJRAの馬体重記録に名を残している馬を紹介しよう。最も重い馬体重での出走記録を持つのは、その名もショーグン。欧州のクラシックディスタンスで活躍したドワイエンを父に持つ外国産馬で、2013年1月のデビュー戦の馬体重はなんと620キロだった。

 その年の7月に604キロで初勝利をマークすると、翌14年5月にダート1800メートル戦で挙げた3勝目の馬体重626キロがJRAの最重量勝利記録として今なお刻まれている。残念ながらこれが最後の勝利となってしまったが、現在は阪神競馬場の誘導馬として訪れるファンたちに自慢の巨体を披露している。(文・杉山貴宏)

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