あたしもその通りだと思う。超少子高齢化で2030年からはガクンと労働人口も減る。税収も減る。そんな中、無理矢理、軍拡することにどんな意味があるのか。
その分野が、未来の経済の発展につながるならまだわかる。しかしそうではない。なら、今この国に生きている人のために使ってこその税金だ。
記事は最後にこう締めくくられていた。
「上昇し続ける物価、上がらない賃金。国民の生活を第一に考えるのならば、軍備拡張よりも優先すべきことがあるだろう」
メディアは軍備拡張の闇、その弊害についてもこうやって書くべきだ。
室井佑月(むろい・ゆづき)/作家。1970年、青森県生まれ。「小説新潮」誌の「読者による性の小説」に入選し作家デビュー。テレビ・コメンテーターとしても活躍。「しがみつく女」をまとめた「この国は、変われないの?」(新日本出版社)が発売中
※週刊朝日 2022年7月8日号