タンバム関連のスポットは、もう2カ所ある。まずは「梨泰院クラス」の原作および脚本を手掛けたチョ・グァンジン氏が経営する居酒屋「クルバム」。ロケ地ではないが、原作漫画の大きな看板が掲げられていて、作品の世界に浸ることができる。
そしてタンバム2号店として登場したカフェ&バー「Oriole(オリオール)」。梨泰院駅周辺から少し離れた解放村(ヘバンチョン)というエリアにあり、ルーフトップからソウルの街並みを見下ろせる。タンバム1号店からは坂道が続くため、タクシーで行くのがおすすめ。約10分、5000ウォン(取材時点で520円)ほどで到着した。
ほかにも、梨泰院には、ドラマに頻繁に登場する歩道橋「緑莎坪陸橋(ノクサピョンユッキョ)」や、キム・ドンヒ演じるチャン・グンスが暮らす宿舎となった「Gゲストハウス」など、見覚えがある場所があちこちにある。ドラマファンならマストで訪れたいエリアだ。
今後、入国条件が緩和されて観光客が増えれば、ソウル市内だけでなく周辺都市のロケ地にも海外のファンが集うだろう。Netflixで配信中のドラマ「その年、私たちは」は、ソウル近郊の水原(スウォン)市で一部シーンが撮影された。「梨泰院クラス」のチョ・イソ役でブレイクしたキム・ダミと、映画「パラサイト 半地下の家族」のチェ・ウシクが主演を務めるラブロマンスだ。
ソウル駅から地下鉄に乗り1時間ほどで到着する水原は、ユネスコ世界文化遺産に登録されている水原華城(スウォンファソン)で有名。「イ・サン」や「赤い袖先」など時代劇の主人公としてもおなじみの朝鮮王朝第22代王・正祖(チョンジョ)が築いた城郭で、全長5.7キロの城壁にぐるりと取り囲まれている。城壁に沿って歩いていると、まるで時代劇の中に入り込んだような気分になった。
「その年、私たちは」でチェ・ウシク演じるチェ・ウンの家は、その城壁の西側にある。もとはカフェ。現在は閉店しているが、白い壁には主人公たちを彷彿(ほうふつ)とさせるイラストが描かれていた。「コロナが収束して観光客が来るようになれば、ロケ地として再オープンするんじゃないか」というのは、ガイドの女性の話。今は中には入れないが、20代とおぼしき現地の女性たちが外観をバックに楽しそうに写真を撮っていた。