ウンの家のちょうど反対側、城壁の東側にはキム・ダミ演じるクク・ヨンスの家がある。カラフルな壁画に彩られた池洞(チドン)壁画村と呼ばれる住宅街で、ヨンスの家も実際に人が住んでいる個人所有の建物だ。壁画も緑色の門も劇中のまま。今にもウンとヨンスが出てきそうな雰囲気に感動したが、ここでは住民に迷惑をかけないよう静かに撮影してその場を去った。
ほかにも、水原では公園でのデートシーンなどさまざまな場面が撮影されたが、実はこの作品のロケ地は全羅北道・全州(チョンジュ)など全国各地に散らばっている。ドラマをきっかけに地方都市を訪れ、その土地の魅力を知るというのもいいものだ。これまで水原にはなかなか来る機会がなかったが、おしゃれなカフェが並ぶ行理団(ヘンニダン)キルをはじめ、見どころがたくさんあることを知った。いつか再訪し、ゆっくりと街歩きを楽しみたい。
そして今、韓国ドラマとともに世界を席巻しているのがK-POP。
コロナ禍以降、コンサートはオンラインが主流となっていたが、リアルな公演も徐々に再開している。1995年から続く毎年恒例のK-POPイベント「ドリームコンサート」(通称ドリコン)も、3年ぶりに有観客で開催されることになった。6月18日の土曜日、ソウルの東南部に位置する蚕室(チャムシル)総合運動場・オリンピック主競技場で、総勢27組のK-POPアーティストが出演したドリコンに参戦した。
会場に着くと、すでにたくさんの人たちが集まっていた。この日の動員は4万5000人。公演開始前から熱気が伝わってくる。チケット代わりのリストバンドを腕に巻き、スタジアムの中に入った。スタンド席にはにぎやかな横断幕がかかっていたが、これは各アーティストを応援するためにファンが制作したもので、通常は、事務所がファンから応募を受け付け、その中で選ばれた横断幕が採用される。「神(シン)人アイドルCLASS:y」などウイットに富んだ文言がずらりと並ぶドリコンの風物詩で、「これこれ!」とうれしくなった。