※写真はイメージ(GettyImages)
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 欧米で猛威を振るうオミクロン変異株。日本でも感染が急拡大し、いわゆる第6波の到来が懸念される。予断を許さない事態にいかに備えるか。第6波への覚悟と飲み薬の効用について、東京都品川区荏原医師会の木内茂之会長(木内医院院長)に聞いた。(聞き手・構成/医療・健康コミュニケーター 高橋 誠)

もはや「急拡大」を覚悟すべきだ
日本でも第5波以上になる

 日本では、早ければ1月中旬に第5波超えの恐れがあります。特に、日本は高齢者が多く、3回目のワクチンが未接種で、オミクロン株への免疫が不十分な現在、濃厚接触者数、自宅療養者数が増え、高齢の感染者が拡大し、重症者による医療現場の逼迫(ひっぱく)は目前に迫っている、そのような想定の下で準備をしています。

 新型コロナには大きな危機感を感じている医療現場最前線の肌感覚ですが、一方で、今年も昨年に続きインフルエンザの感染拡大は来ないのではないかと感じています。この時期に流行していないからです。

 積極的にインフルエンザのチェックをしていないからではなく、本当に流行していません。手洗い、マスクの徹底など、今までやったことがない感染対策の継続の成果が表れているのではないでしょうか。そして、このような地道な感染対策を辛抱強く続けることが新型コロナ第6波対策にもなるのです。

 ちなみに、インフルエンザは去年集団免疫ができていないため、油断ができません。流行し始めたら大流行になる心配もあります。大流行は今年ではなく、来年かもしれません。新型コロナ、インフルエンザとも、しばらくは紆余(うよ)曲折を経ながら、続いていくものと覚悟しなければなりません。

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飲み薬はどのくらい有効?