テレビ朝日提供
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 7月22日スタートのドラマ「NICE FLIGHT!」で気象予報士の資格を持つ管制官を演じる阿部亮平さん。連続ドラマ初出演という挑戦の中で見えてきたのは、試行錯誤し学び続けるというアイデンティティーだという。AERA 2022年7月18-25日合併号の記事を紹介する。

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――「NICE FLIGHT!」は空と空港を舞台に、パイロットや航空管制官たちの仕事に向き合う姿と恋愛模様を描く。帰国子女で気象予報士の資格も持つ管制官、夏目幸大を演じる。

 連続ドラマ出演は初。これまでジャニーズきってともいえる豊富な知識を生かし、クイズ番組などで活躍してきたが、連ドラ出演は「憧れだった」という。

阿部亮平(以下、阿部):舞台などを通してお芝居の楽しさみたいなものは知ってはいたんですが、ドラマに挑戦する機会が少なかったので、ワンクール、同じキャラクターとしてお芝居を続けることにずっと憧れがありました。だから、「ついに来たか!」と。共演の皆さんは経験豊富な方ばかりなので、お芝居のやりとりを見て「今の表情すごい!」「言い回しが自然だな」とか、毎回、見入ってしまう。その後に自分の芝居を思い出して反省する日々です(笑)。

 いまの課題は、相手のお芝居を受け取った瞬間、自分の中に生まれるリアルな感情をナチュラルに表現すること。それが感覚的にできたらいいんですが、まだまだ悩んだり後悔したりすることだらけ。それでも、すごく楽しいと思えるんです。やりがいしかないですね。もっと食らいついてやろうという気持ちでいっぱいです。

――自身も気象予報士の資格を持つ。夏目との親和性は高いが、役作りの努力は惜しまない。帰国子女の発音に近づけようと英会話スクールに通い、可能な限り管制官の勉強も行っている。

■結びついたのは奇跡

阿部:慣れないドラマの撮影スケジュールを縫って学ぶのは大変ではあります。でも、やっぱりできることはやりたいですし、管制官の呪文みたいなせりふもちゃんと意味を理解して発したい。管制は聞き間違いを防止するために、普段使わないような言い回しをすることも多いんです。9は「ナイン」ではなくて「ナイナー」。aは「アルファ」とか、そういうフォネティックコードも覚えたりしました。

 英語の発音を指導してくださる方もいて、管制のせりふを音声データで送って採点してもらったりもしています。本番のドキドキで、練習では言えていたRの発音が甘くなることもあります。同じ管制官役の中村アンさんとのやり取りが多いんですが、僕がミスしたら、アンさんが成功していてもやり直しになってしまう。そのプレッシャーも大きいですね(笑)。

 気象用語もたくさん出てきますが、それは誰よりも理解できると思う。気象予報士の知識がドラマの仕事に結びつくなんて、本当に奇跡だと思いました。

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