秋篠宮家の眞子さま、佳子さまを見守る美智子さま=前列左から5人目(1997年12月、宮内庁提供) (c)朝日新聞社
秋篠宮家の眞子さま、佳子さまを見守る美智子さま=前列左から5人目(1997年12月、宮内庁提供) (c)朝日新聞社
この記事の写真をすべて見る

 今年中に念願だった小室圭さんとの結婚をかなえて、皇室を離れる見通しの眞子さま。初孫の決断を、美智子さまはどのように受け止めているのだろうか。『美智子さまという奇跡』(幻冬舎新書)の著者でコラムニスト・矢部万紀子さんが、お二人の歩みから読み解いていく。

【写真】あわや尻餅をつきそうになった雅子さまを陛下がアシストしたショットはこちら

*  *  *

『皇后さまとご養蚕』という本の中に、美智子さまが眞子さまへ出した手紙が収められている。

 学習院初等科3年生だった眞子さまに「お年寄り世代のしていた手仕事」という宿題が出された。眞子さまは「養蚕」について美智子さまに尋ね、美智子さまが手紙で答えたというものだ。

「眞子ちゃんは、ばあばがお蚕(かいこ)さんの仕事をする時、よくいっしょに紅葉山(もみじやま)のご養蚕所(ようさんじょ)にいきましたね」と始まる。昭憲皇太后以来、代々の皇后に伝わる養蚕をやさしく説明し、こう終える。

「今は蚕(かいこ)さんはおりませんが、もう一度場所や道具をごらんになるようでしたら、どうぞいらっしゃいませ。たいそう寒(さむ)いので、スキーに行く時のように温(あたた)かにしていらっしゃい。ごきげんよう」

 天皇陛下(当時)のことを「おじじ様」と書き、説明の合間に眞子さまの話をする美智子さま。

「おととし眞子ちゃんは、このまゆかきの仕事をずいぶん長い時間てつだって下さり、ばあばは眞子ちゃんはたいそうはたらき者だと思いました」

 優しい手紙から、懸命に蚕に向き合う小さな眞子さまの姿が浮かんでくる。眞子さまにとって皇居は、おじじ様とばあばの住む温かな場所。そう感じる。

 この手紙が眞子さまに届いてから、20年以上の時がたった。今年中に眞子さまは、皇室を離れる見通しだ。念願だった小室圭さんとの結婚が、とうとうかなうのだ。

 小室さんとの婚約が内定し、そろって記者会見に臨んだのは2017年9月。3カ月後に小室さんの母と元婚約者の「金銭トラブル」が報じられ、いろいろなことが起きた。だが、結婚を望む眞子さまはぶれなかった。

著者プロフィールを見る
矢部万紀子

矢部万紀子

矢部万紀子(やべまきこ)/1961年三重県生まれ/横浜育ち。コラムニスト。1983年朝日新聞社に入社、宇都宮支局、学芸部を経て「AERA」、経済部、「週刊朝日」に所属。週刊朝日で担当した松本人志著『遺書』『松本』がミリオンセラーに。「AERA」編集長代理、書籍編集部長をつとめ、2011年退社。同年シニア女性誌「いきいき(現「ハルメク」)」編集長に。2017年に(株)ハルメクを退社、フリーに。著書に『朝ドラには働く女子の本音が詰まってる』『美智子さまという奇跡』『雅子さまの笑顔』。

矢部万紀子の記事一覧はこちら
暮らしとモノ班 for promotion
【フジロック独占中継も話題】Amazonプライム会員向け動画配信サービス「Prime Video」はどれくらい配信作品が充実している?最新ランキングでチェックしてみよう
次のページ