そうしたなかヘンリー王子夫妻が「王室離脱宣言」をする。さらに、王室の高位メンバーから外れることが明らかになると、カナダ政府の対応は早かった。カナダ政府は、2020年2月、「夫妻の地位の変化に伴い、今後数週間以内に」終了すると発表したのだ。
ちなみに、王立カナダ騎馬警察が公式文書で明らかにしたところでは、夫妻が滞在した11月から2か月間の警備で、最低でも約432万円のカナダの税金が投入されている。この警備費に騎馬警察の人件費は含まれていない。カナダでの滞在は5カ月に及んだ。警備費はさらにふくれあがったはずだ。
どの国でも政府は、国民の反応に敏感だ。 夫妻がカナダから米ロサンゼルスに拠点を移すと、当時のトランプ大統領も、すぐに反応した。
ふたりの警備費の負担を拒否する方針をツイッターで公表。すると、米国民から「最高の決断だ、大統領!」と称賛の嵐が巻き起こった。
一方で、元宮内庁職員は、むしろ眞子さまが警護などの待遇を望まない可能性を指摘する。世界経済の中心地のひとつであり、世界中から人が集まるのが NYだ。互いに必要以上に干渉しない、匿名性の高さもまた、この街の魅力だ。
「眞子さまは日本にいる限り、元皇族としての視線から逃れられません。しがらみから逃れて、一市民として自由にお暮らしになりたいのではないでしょうか。一時金さえ受け取らない意向を示されているのですから、ご自身で警護をお断りになる可能性もあります。それに、そうした待遇を受ければ、『民間人になっても税金を使って』と日本で非難が高まるのは、目に見えていますからね」(元宮内庁職員)
前出の元外交官はこう話す。
「あとはNYの総領事などが、定期的に眞子さまや小室さんを招待して、困りごとはないか、などのフォローぐらいはできるでしょう」
皇室の庇護から離れたた元内親王を待ち受けるのは、甘い生活とは行かないようだ。
(AERAdot.編集部 永井貴子)