お笑いコンビ「ソラシド」の本坊元児さん(写真提供=吉本興業)
お笑いコンビ「ソラシド」の本坊元児さん(写真提供=吉本興業)
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吉本興業の「あなたの街に住みますプロジェクト」で2018年から山形県に住んでいるお笑いコンビ「ソラシド」の本坊元児さん(42)。「人生が変わる1分間の深イイ話」(日本テレビ系)で今年1月から計3回特集が組まれるなど、農業を軸とした“リアルあつ森芸人”としても注目されているが、農業に取り組む中で気づいた「いろいろあるもんな」の境地とは。

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 2015年にアルバイト生活をリアルにつづった「プロレタリア芸人」という本を出しまして、その時は仕事が増えたんです。

「アメトーーク!」(テレビ朝日系)にも出してもらったり、露出がグッと増えました。ただ、過酷なアルバイトの話なんて、頻繁に番組でも扱われるものではないですからね。

 1年に1回くらいやるかどうかみたいなテーマなので、1年くらいで元のアルバイト状態に戻ってしまったんです。これではダメだなと。

 しかも、当時、大工さんのアルバイトをやっていて、その仕事でそこそこ食べられるようにもなってたんです。となると、これは芸人を辞めてしまうんじゃないかと自分でも不安になってきまして。

 そんな中、相方の水口(靖一郎)から連絡があったんです。山形の“住みます芸人”に空きが出るらしいと。先輩方からも「いい案じゃないか」と背中を押してもらいましたし、大工さんも辞めたかったし、何より、どこでもいいから芸人の仕事をやりたい。その思いから、即、行くことを決めました。

 山形にはそれまで縁がなくて知識もなかったんですけど、行く以上は東京の芸人ができないことをやりたいとは思っていました。

 ただ、行く前に一つ自分で決めたことがありまして。「プロレタリア芸人」で書いたような肉体労働のアルバイトとか大工のアルバイトの経験を生かしたようなお仕事は、もう山形ではやめておこうと。

 その考えに至った理由が「今、自分が死んだら」ということだったんです。芸人だし、もし小さな記事にでもなったら、そこの見出しに“アルバイト芸人”と紹介されるのか……。となると、15年に本を出したところで止まっている。それだったら、15年に死んだのと変わらない。それがイヤだったんです。

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