「フットボールアワー」の後藤輝基(C)朝日新聞社
「フットボールアワー」の後藤輝基(C)朝日新聞社

 そこより生きたんだから、なんとか違う肩書を掲げたい。そう思っていたので、大工道具も全部東京に捨てていこうと思っていました。

 そして、そんな思いを「フットボールアワー」の後藤(輝基)さんに話したんです。そこで後藤さんが言ってくださいました。

「新しいことを考えるのは素晴らしいことやけど、自分がやってきたことを自分で否定するのは違うと思う。企画を持ってきてくれる人は本坊のことを調べて、大工仕事ならいけるかもしれないと考えて仕事を持って来てくださっているわけやから、お前が思うこと自体は悪いことやないけど、そういう仕事が来たらやったらいいとオレは思う」

 実際、山形に住んですぐにDIYのリフォームみたいな仕事が来たんです。後藤さんに言われるまでの僕の考えやったら、お断りしていた仕事のど真ん中だったんでしょうけど、それをやらせていただきました。

 すると、不思議なことにというか、そこから人のつながりができて、それが「深イイ話」などでも取り上げていただいた農業にもつながっていったんです。

 今、栽培しているのはにんにく、じゃがいも、いちご、とうもろこし、サニーレタス、ししとうなどです。

 農業の経験はゼロでしたし、もちろん最初は知識もなかったんですけど、やってみると、これが本当に面白いんですよね。

 農業から得た教訓というか、教えみたいなものがあって、それが「農業に間違いはない。そこにメリットとデメリットがあるだけ」というもの。これを体感できるようになってから、すごく農業にのめり込んでいったんです。

 例えば、じゃがいもを植える時にはいもを半分に切って種いもを植えるんですけど、その植え方にもいろいろあるんですよね。

 皮のブツブツしたところから芽が出るんですけど、皮の方を上にして植えるか、下にして植えるか。やり方が両方あるんです。

 皮の方を上に植えると、そのまま芽が土の上に向かって生えていくので、スムーズに芽が出てきやすい。

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