須田府議はこう訴える。大阪府議会で当初、自身の父親の「コロナ死」について質問するつもりはなかったという。それゆえ、吉村知事にも質問通告をしていなかった。一転、質問すると決めた理由をこう明かす。
「コロナについて保健医療部長に何度も質問しました。その答弁は『重症病棟が逼迫しないようにすみやかにやる』『保健所の負担軽減、効率化をやる』…。きれいごとだけを並べます。ですが、実際の現場とあまりにかけ離れたものだ。府はやっていますというが、現場を見たら、ぜんぜんやってないやんとなる。だから、うちの父親のように命を失うという悲劇につながった。本当の実情をわかってほしいと思い、やむにやまれず、事前通告なしに、吉村知事に質問をしました。全部、アドリブでやりました」
須田府議の母親は回復し、現在はリハビリ中だという。大阪府の重症病棟の使用率は、5月31日現在でも100%を超え、オーバーフローしている。須田府議の父親も適切な治療が受けられれば、助かった可能性が十分あったのではないか。
「コロナは第5波、6波と続く可能性もあります。大阪府だけでなく、国も含めて、早急なコロナ対応をお願いしたい」
吉村知事は須田府議の質問に対し、「ご尊父様も連絡がなかなかつかなかったことは本当に申しわけない。心からご冥福をお祈りします」と謝罪した。(AERAdot.編集部 今西憲之)