舛添元知事はさらにこう疑問を呈した。
「AbemaTVはインターネット上のテレビなので、放送法に引っ掛かりません。しかし、行政は放送法を盾にして、地上波で嘘を言ったとケチつけることが可能なのです。抗議するなら私や上田都議にもすればいいのに、タレントという立場の弱い竹山さんを狙ったんじゃないか」
上田都議もAERAdot.の取材に対してこう答えた。
「4.7億円は昨年の第一回目の緊急事態宣言から夏までの限られた期間における内訳です。緊急事態宣言が発出された時、小池都知事が『ステイホーム』と呼びかけるテレビCMやデジタルサイネージなど、頻繁に広告が制作され、流されていました。また、タレントと都がコラボした動画に対して、都民から『いくらかかっているのか』という問い合わせも寄せられました。そこで一定期間ではありますが、広報費の支出を調査しました。後の調査で昨年度は11.1億円だったことも明らかになっています」
東京都の政策企画局に上田都議が調査した約11億円もの広報費について確認すると、こう回答した。
「テレビCMの電波料など、広報費の約11億円については、生活文化局の広報がまとめて出した数字です。ただ、昨年度の数字ではなく、1月6日までに契約したものに限ります」
つまり、1月7日以降から3月末までに追加契約した分は含まれていない額だというのだ。11億円もの広報費は都にとって必要な経費だったと認識しているかを問うと、以下のように答えた。
「そうですね。動画に限ると、閉鎖した動画もありすべての再生回数は確認できませんが、いま視聴できる動画が20本程度あり、約2000万回の再生はありますので、それなりに見ていただいて、本来の目的であります、啓発には効果があったのかと考えています」(東京都政策企画局)
しかし、上田都議は大阪府との違いをこう語る。
「大阪府の吉村洋文知事はこうした広告費は払えないからと、ローカル番組に出演して感染症への注意喚起を府民に呼びかけていました。番組に出演すればタダですから。一方、小池都知事はテレビ番組には出ないけど、ステイホームでみんなが家にいる時間を見計らってテレビやインターネットに広告を打つやり方だった。この費用を調査したら11億円にも上るという驚くべき金額でした。効果のほどはいかほどだったのか、疑問に思います」