※写真はイメージです(GettyImages)
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【表】
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●明らかになった東京の食事券販売方法

 オンライン飲食予約は、「トリキの錬金術」や「無限ループ」が問題となり、不公平・不公正などの声が高まり、農林水産省は「付与ポイント以上の飲食が必要」という制限を設けた。

 しかし、問題があるのはオンライン飲食予約だけではない。Go Toイートキャンペーンのもう一つの柱であるプレミアム付き食事券(以下、食事券)もかなり不公平な制度設計になっている。

 オンライン飲食予約は、Webでの申し込みに限定されており、予約できる飲食店もかなり限定されているので、よほどWebおよびオンライン予約に慣れている消費者でなければ利用できない。

 同じく、食事券もWebで申し込む場合、オンライン飲食予約ほど難しくはないものの、スマホ弱者やネット弱者には利用しづらい。

 各都道府県の食事券の販売方法は画像の【表】の通りだ。

 食事券で最も注目されている東京は、第1次募集に間に合わず、第2次に応募した。出遅れた感はあったが、その分、他府県の動向を分析することができただろう。特に、千葉県の状況(電子食事券90%)を見て判断したのではないかと思われるが、デジタル食事券(東京は電子食事券ではなくデジタル食事券と呼んでいる)を25%に抑え、紙食事券を75%(金額ベース)まで広げている。

 購入方法の詳細はいまだに公表されていないが、筆者が事務局に確認したところ、次のことがわかった。

(1)紙食事券を購入するには、引換券を入手しなければならない。その方法は、Web申し込みか専用はがきによる申し込みのいずれかである。同一人物が、両方の方法で申し込むことはできない(ただし、それをどう防ぐかは明らかにされず、今後、問題が起きることが懸念される)。

(2)Web(サイトは今のところ非公表)申し込みは、食事券の販売日の前日である11月19日午前9時から開始される。Webでの申し込みの場合、引換券はデジタル引換券(QRコードかどうかは不明)になるので、スマホなどの情報端末に限られる。

(3)専用はがきも、11月19日までには設置場所に届けられるが、配布の場所と時間は未定。

(4)Web申し込みも専用はがき申し込みも、引換券は先着順に届けられる。デジタル引換券は、申し込み後すぐに端末に届くが、専用はがきの場合、先着順は何を基準にするのかは不明。

(5)どちらも複数回の申し込みが設定されるというが頻度は未定。また1回当たりの引換券の販売数も未定で販売状況によって判断される。紙食事券は、合計300万セット(1セット額面1万2500円)販売されるが、Webと専用はがきの配分も販売状況によって判断される。

(6)専用はがきの場合、専用はがき設置(配布)場所と同じところで、食事券を購入できる予定。また、一部ではあるが酒類販売「カクヤス」も食事券の販売(ネットで注文して宅配)を行う。

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東京の紙食事券販売は瞬間蒸発する可能性が高い