新型コロナウイルス感染症の拡大で止まってしまった大学における国際交流。東大でも今夏から秋にかけて行われるグローバルキャンパス推進本部管轄の国際プログラムは全て中止され、冬以降についても見通しは立たないままだ。留学を予定していた学生にはどのような影響が出ているのか、また今後の開催の見通しは。本部の担当者と学生に話を聞いた。(東大新聞オンラインより転載)
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東大が夏から秋にかけての留学プログラムの中止を発表したのは4月10日のこと。グローバルキャンパス推進本部主催のサマープログラムや全学交換留学の秋学期分などが中止とされた。一方、2021年春学期の全学交換留学派遣可否については、4月時点では7月ごろに出すとしていた判断を、10月ごろに延期するという通知を6月10日に派遣候補学生に対し行った。
グローバルキャンパス推進本部国際化教育支援室長の矢口祐人教授(情報学環)によると、元々7月に判断を出すとしていたのは、ちょうどその頃が交換留学の協定を結ぶ海外大に対して、来年春に東大にやってくる学生の募集通知を行う時期だからだった。交換留学は海外の大学からも学生を受け入れる相互交流の上に成り立つ。協定校側でせっかく応募したのにはしごを外される学生が出るのを防ぐには、東大からの募集を止めるかどうか、7月の時点で判断するのが望ましい。しかし世界で日々変化する新型コロナウイルスの状況下で、7月に来年の学生派遣・受入可否の判断を下すのが難しいという話になり、派遣・受入双方でのビザなどの手続きや派遣できなかった場合の東大での履修登録が間に合う限界の10月まで判断を遅らせることになった。矢口教授によると、ウインタープログラムの開催可否判断も、現状では同じくらいの時期になる見込みだという。
冬以降の国際プログラム開催可否の判断基準について、矢口教授は「東大から派遣する学生、東大に来てくれる学生の安全と健康が一番」と語る。判断する時点での外務省の海外安全情報や文科省からの指針など具体的な情報に基づいて判断することになるが、「その時の状況は当然ながら現時点では予想できないですよね」。