ひとり暮らしをすると、家で母親がどうやって料理を作ってくれていたかがよくわかるという意見があったり、おふくろの味についてはお弁当に入っていた卵焼きの話になり、

「うちのは甘め」

「うちのは辛めで中にネギが入っていた」

 などと、盛り上がっていた。

 ぺえはひとり暮らしをはじめたときは、気分が盛り上がっていて自炊をしていたが、今はやっていないといっていた。鹿児島出身の大原優乃は、東京の味付けがしょっぱいと感じ、地元の味付けが恋しいので、テレビ電話で母親に教えてもらいながら、料理を作っているという。ふだん作っている料理の画像が紹介されたが、

「これはひとり暮らしの女の子が作った食事なのか」

 とびっくりするくらい充実していた。彼女はテレビ局ではお弁当が出るので、味噌汁だけ作って持っていくともいっていた。

 スタジオにいた一般の女の子たちからは、自炊をするときに困るのは、野菜を余らせてしまったり、一人分のおかずは作りにくいという話も出た。それを聞いて、そのときに食べる用と保存用の、二人分を作るといった女の子もいた。自炊をする人は自分なりにあれこれ考えているようだった。

 辰巳渚さんの本では、たとえば夜に二合の米を炊いて夜の分を食べ、残りを保温して翌朝、一杯分ずつ小分けにして冷凍しておくのを勧めていた。またあると便利な食材として、卵、ハム、きゅうり、トマト、レタス、キャベツ、日持ちするタマネギ、じゃがいも、ニンジン、などが挙げられていた。レタス、キャベツ、きゅうり、トマトはそのままサラダとして食べられるので、便利。その他、乾麺、のり、乾燥わかめ、バター、魚肉ソーセージなども挙げられていた。生鮮品の肉や魚は衛生面の問題もあるし、下処理なども面倒なので、過剰に味付けをする必要がない、ハムやソーセージを活用するのだろう。たしかに豚肉を買うよりは、そちらのほうが日持ちもするし、アレンジがきくのかもしれない。

 なるほどと観ていたら、高橋文哉が、多くのひとり暮らしの若者が住んでいる部屋は一口コンロしかないと思うのでと、それひとつでできるパスタ料理を紹介していた。ポイントはパスタをゆでている鍋を早めにおろし、余熱で火を通すこと。その間にフライパンで具材を炒め、パスタと合体させていた。ずいぶん手際がいいなと調べてみたら、彼は高校の調理科を卒業していて、インターネットサイトで料理の連載を持っているほどだった。

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