雨の日は読書をして過ごす、という人も多いのではないでしょうか。

今日6月19日は「朗読の日」、日付は「ろう(6)ど(10)く(9)」の語呂合わせです。2002年にNPO日本朗読文化協会により、朗読の普及を目指して制定されました。大人になってからの読書といえば、「黙読」が一般的。「黙読」の対語である「音読」は「声に出して読むこと」ですが、「朗読」との違いはどこにあるのでしょうか。

今回は、懐かしくも奥深い「朗読」について考えてみましょう。

最近、「音読」したのはいつですか?

幼い頃、祖父母や両親に絵本の読み聞かせをしてもらった経験はありませんか。自分が親になってからは、子どもが寝る前に読み聞かせをしている人も多いかもしれませんね。

思い起こせば、幼少期には絵本を声に出して読んだり、国語の授業で教科書を音読した記憶もよみがえります。子ども時代に親しんでいた「音読」も、大人になるにつれ疎遠になり、いつしか読書はひとり静かに楽しむもの、となっていること気付きます。

「音読」と「朗読」の違いとは

「声に出して読む」という点では、朗読も音読に含まれます。文部科学省によると、「音読」は正確・明晰・流暢(正しく・はっきり・すらすら)が目標とされ、「朗読」は正確・明晰・流暢にプラスして、「作品の価値を音声で表現すること」と「作品の特性を音声で表現すること」が目標とされています。これらは小学校の「学習指導要領」に記載があり、「音読」は小1~4の理解領域 、「朗読」は小5、6の表現領域とされています。

朗読には、わかりやすく正確に読む音読力、作品を読み解く知識に基いた表現力が必要なのですね。表現芸術として捉えられ、学問としての理論も存在する朗読ですが、すでに小学校で学習していることにも驚かされます。

「声」への回帰がもたらすもの

読み聞かせは、主に絵本を子ども対象に読み語ることを指しますが、子どもたちの最初の本との出会いであり、朗読との出会いといえます。

本に書かれた文字は、私たちに広大な未知の世界を見せてくれます。朗読者は、本の世界を読み解いて音声で表現することで聴き手の想像力を刺激し、黙読の読書とは異なる体験を引き出します。読み聞かせという「声」から始まった本の世界。黙読という「文字」の世界から、再び「声」に戻ってみると新鮮な発見がありそうですね。

NPO日本朗読文化協会では、朗読教室の運営や朗読イベントの開催を随時行っています(朗読教室は9月末まで休講予定。詳細はホームページをご確認ください)。朗読という表現方法を学んだり朗読会などに参加してみるのも、本との新鮮な付き合い方や楽しみ方、ひいては自分の感性を知るきっかけになりそうです。

参考サイト

NPO日本朗読文化協会

文部科学省