僕個人だと、特に印象派に興味があります。ルノワールのベールに包まれた感じというか、柔らかな印象が好きですね。あとモネとか。印象派ではないですけど、フェルメールとかも。

──いつ頃から興味が?

 ここ3、4年ですね。関西で「ピーチケパーチケ」って番組をやり始めてからです。それまでは全然興味なくて。「この絵、何十億なんだって」とかって言われても「え、知らんし。俺でも描けるし」みたいな(笑)。でもいまはもっと身近なものに感じてますね。高い安いはわからないですけど、それって他人が決めた価値が違うだけで、画家たちの描いてる思いとか時間ってあるじゃないですか。だからお金でくくらなくてもいいのかなって思います。

──今年でソロデビュー10周年です。印象に残っている仕事は?

 全部覚えてるんですけど、2015年の「ドリアン・グレイの肖像」って舞台ですね。なんかね、ずーっと、「なぜ俺はこんなにも美しいんだ」って言ってる役なんですよ(笑)。当時は演じるだけでいっぱいいっぱいでしたけど、いまの自分だったらもっとおもろいことができたし、おもろい間があったし、もっと魅力的なドリアン・グレイにできたのになぁって。ある種の後悔ですよね。そういう作品のほうが印象に残ってます。

──役者だけではなく、歌やダンスの仕事もされています。ご自身のなかでの比重はありますか?

 僕のメインは役者だと思ってるんですよ。人生をかけて臨みたいのは役者。僕にとってのアイデンティティーみたいなもんだと思ってるんです。

──なぜ役者が?

 単純に楽しいんだと思います。15歳の頃から役者になりたいって思ってたんで。自分が出演したドラマ、「恋して悪魔」のオンエアを見て、「こんなへたくそなやつが出てるんだ」って思ったんですよ(笑)。もっとうまいと思ってたんですけど、その感覚と出来上がりがもう違いすぎて。自分の声を録音で聞いて、「えーこんな声してるん?」みたいな感覚ってあるじゃないですか、あれです(笑)。

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