●ランニングのたびにバシャバシャと尿漏れ
11歳と8歳、2人の男の子を育てるシングルマザーの多香子さん(仮名・46歳)の朝は、息子たちとのランニングで始まる。4年前に離婚し、生活のためにフルタイムの仕事をするようになって1年ほど過ぎたころ、子どもの様子がおかしいことに気が付いた。成績が下がり、友達に暴力をふるうことがあるなどと、担任の先生から連絡が入るようになったのだ。多香子さんが家にいる間は部屋にこもってゲームばかりしているようで、ほとんど顔を合わせることもなくなっていた。
(仕事にかまけて、あまり相手をしてあげていないせいで、私の愛情が感じられないのかもしれない。下の子はまだ、甘えたい年頃だし)
心配になり、なんとか親子が触れ合う時間を作ろうと考えた多香子さんが注目したのは朝の時間だった。夜は仕事や家事でくたくたで、気力が湧かないが、朝なら、少しは気力体力共に回復しているし、一緒に走るのは、会話をすることよりもハードルが低いように思えた。それに何より、美容と健康にもよさそうだ。
さっそくランニングシューズを買い求め、息子たちを誘うと、想像以上に嬉しそうに付き合ってくれるようになり、学校での問題行動も親子関係も改善することができた。