なかなか景気のよい話が聞こえてこない写真業界において、右肩上がりの「市場」がある。パソコンやスマホなどで写真集のような作品を簡単に作ることができる「フォトブック」サービスだ。
【写真】とじ目に写真が制限されず、迫力を最大限に表現できる「合紙とじ」
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日本フォトイメージング協会の調査によると、2018年度のフォトブック市場は数量ベースで前年比116%、金額ベースで前年比108%となり、初めて1千万冊を超えた。同協会は、今後も需要増のトレンドは継続すると分析しており、19年度の市場規模を140億円、1170万冊と予測する。
10年以上にわたってフォトブックサービスを比較してきたサイト「フォトブックマニア」の管理人によると、市場拡大の背景にはスマホから簡単にブックが作成できるようなった手軽さがあるという。
「スマートフォンの普及により『アプリ』や『オンライン編集』で手軽にフォトブックを制作できるサービスが増えました。現在は一冊数百円の廉価版から、数千円の高級本まで、ニーズに沿った多彩なフォトブックサービスが20社以上参入しています」
運営会社によって特長や価格、サービス内容はさまざまだ。各社で大きく異なるのは、主に印刷方式と製本(とじ方)、価格の三つ。自分が何にこだわりたいのか知っておくことが肝要だ。
まずは、印刷について。フォトブックの印刷は主に5種類に分けられる。安価なフォトブックに多く使用されるのが「粉体トナーの4色印刷」タイプ。その一段上が「液体トナーの4色印刷」タイプ。粉体トナーに比べて粒子が小さく、高画質な印刷が可能になる。液体トナータイプには「6色印刷」のフォトブックもある。基本のCMYKの4色に2色(通常はライトシアンとライトマゼンタ)のインクを追加することで、より網点が見えにくくなり、写真の階調も豊かになる。
■高画質のインクジェット フラット製本がオススメ
最も高い仕上がりとなるのが「インクジェット7色印刷(DreamLabo 5000)」のフォトブック。今まで高品質とされてきた銀塩プリントにも勝る超高画質が実現できる。