デッキのドア窓を開けて走行中の氷河特急を撮影する。これまでの氷河特急の窓は開かなかっただけに新たなアングルからの撮影が可能となった。先頭に立つのはMGB(マッターホルン・ゴッタルド鉄道)のアプト式電気機関車。編成中央の赤い車両はキッチンカー。今まさに渡るのはフルカ峠のふもとのロイス川に架かるレヒレレン高架橋。ホスペンタール─レアルプ間■オリンパスOM-D E-M1 MarkII・12~100ミリ F4・絞りf8・ISO800・AE・マイナス0.7補正・JPEGスーパーファイン(撮影/櫻井寛)
デッキのドア窓を開けて走行中の氷河特急を撮影する。これまでの氷河特急の窓は開かなかっただけに新たなアングルからの撮影が可能となった。先頭に立つのはMGB(マッターホルン・ゴッタルド鉄道)のアプト式電気機関車。編成中央の赤い車両はキッチンカー。今まさに渡るのはフルカ峠のふもとのロイス川に架かるレヒレレン高架橋。ホスペンタール─レアルプ間■オリンパスOM-D E-M1 MarkII・12~100ミリ F4・絞りf8・ISO800・AE・マイナス0.7補正・JPEGスーパーファイン(撮影/櫻井寛)
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 スイスで最も有名な列車といえば、日本でも「氷河特急」の名でおなじみの「グレッシャー・エクスプレス」。1930年に運行を開始し来年は90周年。今では年間27万人が乗車し、そのうちの8万人が日本人乗客というから驚きである。私もこれまで何度となく乗車し、人気列車の旅を満喫してきたが、私にとって唯一のウィークポイントは、窓が開かないことにあった。

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 一般客にとって、窓の開く、開かないは大した問題ではないだろうが、こと、写真撮影では大問題である。そのため、車窓風景を撮影したい際には、「グレッシャー・エクスプレス」は諦めて、窓の開く普通列車に乗ることが多かった。

 ところが今年、「グレッシャー・エクスプレス」に新型車両がお目見えした。うれしいことにデッキのドア窓が開くという。実は、「グレッシャー・エクスプレス」と並ぶスイスの人気列車に「ベルニナ・エクスプレス」がある。そちらは、客室内のパノラミックウィンドーは固定式だが、1両に2カ所あるデッキのドア窓がオープンできる。「グレッシャー・エクスプレス」でも新型車両導入に際して「ベルニナ・エクスプレス」を見習ったのであろう。風光明媚なスイス・アルプスを走る列車だけに、グッドサービスというわけだ。

 ただし、「グレッシャー・エクスプレス」の新型車両名は「エクセレンスクラス」。これまでの2等車、1等車のさらに上に設定された特等車で、乗車料金は2等車(195スイスフラン・約2万1千円)、1等車(311スイスフラン・約3万4千円)よりもぐんと高い688スイスフラン(約7万5千円)。

 ということで、出費はかさむが、撮影を優先し、起点のサンモリッツからエクセレンスクラスに乗車した。

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コンシェルジュの出迎えを受け車内へ…