唯一、とある掲示板に「Aというキャストに、むりやり本番行為をされた」と書かれたが、当のAは登録したばかりの新人で、まだ一度も客についたことがなかった。事実無根だったのだが……。

「お客様と本番行為に及ぶことは当然厳禁ですが、そのあたりの不安は常につきまといます。もっとも気をつけなければならないところですね」(今井さん)

 本番を求める客には、「丁重に、心を害さないように、お断りする」(Shuさん)という。

 高いリスクを背負いつつも、キャスト的には「普通のアルバイト以上の額が入り、副業としてやるにはちょうどいい」(Shuさん)とする一方、経営的にはいまのところ、ハイリスク・ローリターンかもしれない。だが、今井さんは女性用風俗に、希望と将来性を見出す。

「エンターテインメントが好きなんですよね。そのエンタメ性を、お客様1人ひとりに提供したいと思っているんです。どんな男性と、どんな食事をして、どこでデートし、どんな風に癒やされ、誰にも言えない願望をどんなふうにかなえたいのか。ちょっとした好奇心を満たしたいのか、非日常のお姫様体験をしたいのか。そうやって、満足してくれる女性が少しずつでも増えればいいと思っています」

 そして忘れてはならないのが、女性だけではなく、ごくまれに男性の願望さえもかなえてくれることがあるのだ。

「施術中に『夫と電話しながらしていいですか』という人妻のお客様がいました。ちょっと驚きましたが、終了後、僕も旦那さまと電話で話すことに。すると、『僕はこれまで、数人の女性経験があるけど、妻は僕しか知らないんです。生涯ひとりで終えるなら……と、妻にいろいろと経験させてやりたかったから、僕が勧めたんです』とおっしゃっていましたね」(Shunさん)

 可能性未知数の性産業は今後、男性用風俗店並みの浸透力を見せるのか、果たして……。

◎取材協力:レゴリス東京