「ほかにも、『キャストはちゃんと来るのか?』とか、『ホテル代は自分で支払わなきゃいけないのか?』など、とにかく不安を感じているのが伝わります。こちらは素直に答えるしかないのですが、それでも何度も同じ質問を繰り返す方もいます。その不安感を例えるなら……昔は男性用風俗でクレジットカードを使用することに対し、“怖い”という感覚がありましたよね。今は当たり前に使用していますが、かつては『不正使用されるのでは』と勘ぐってしまういかがわしさがあった。そうした、昔の男性用風俗と同じようないかがわしさが、周回遅れで女性用風俗に漂っている、とイメージしていただければわかりやすいかと思います。だからこそ、いかに誠実にやっていくかが、この“女性用風俗ビジネス”のポイントですね」(今井さん)

 また、犯罪まがいのうわさがささやかれていることも、客がより「二の足」を踏む原因の1つとなっている。

「どうしたらお客様に気軽に来てもらえるかと考えて、『無料体験モニター』を募ろうと思ったんですよね。でもその矢先、こんな話を聞いてしまって……。無料体験モニターに来た女性が性的暴行に遭った……と」(今井さん)

 いつどの店で起きたことなのかは不明であり、単なる「作り話」の可能性もある。だが、そうした話がすべて腑(ふ)に落ちてしまうようないかがわしさが、女性用風俗にはまだ漂っているのだ。

「誠実にメールのやりとりをしたり、メディアに出て知名度を上げたりして、『真っ当に頑張っている人間がいる』ということを伝えるしか、今のところ方法はないですね」(今井さん)

●女性客の年齢層は幅広い

 そんな中、不安を乗り越え、訪れる女性客は、「年齢層もその動機も幅広い」と今井さんは言う。

「男性は『客は中年女性ばかりなのでは?』という偏見を持ちがちですが、まったくそんなことはありません。下は20代から上は50代まで、まんべんなくいらっしゃいます」(今井さん)

 現に「かなり年上の方ばかりなのかなと、ネガティブなイメージはあった」と話すShuさんも、現実とのギャップに驚いた。また、HPでAV男優であることを明かしているShunさんの元には、偏見にはまらない女性からの指名が顕著だった。

次のページ
Shuさんの仕事の“初体験”は…