「メイン層は30~40代。『夫と長くセックスレスで辛い』など深刻に悩んでいらっしゃる方と、好奇心でいらっしゃる方が半々な印象です」(Shunさん)
初めてついた客は、「40代半ばのお客様で、とにかく緊張した」とShunさんが言う一方、Shuさんの仕事の“初体験”は、人妻だった。
「他人の妻とこんなことをしていいの……!? と、とてつもなく緊張しましたが、寂しい一面をのぞかせていたので、『自分ができるところまで、きっちりやろう』と気持ちを切り替えました」(Shuさん)
人妻の客は意外なほど多く、彼女たちは施術前のコミュニケーションタイムで、自身の悩みを吐露することがある。その際の会話が、のちの施術の満足度につながるという。
「おしゃべりは重要ですね。そこで満足してもらえないと、始まる前から萎(な)える一方だと思います」(Shuさん)
「おしゃべりも施術も、基本姿勢は“奉仕”。そういうことを『面倒くさい』『屈辱的だ』なんて思う男性は、この仕事は向かないかもしれません。それに、本当に体力と集中力を使う仕事で、いつも汗だくになることを覚悟しておかないと務まりません(笑)。なかには、そろそろタイムアップというところで、『もっと!』と後引くお客様も結構いますから」(Shunさん)
ちなみに、仕事とはいえ、いやおうなしに下半身へ血は巡る。が、客から言われた意外な一言で、救われることもある。
「そんなとき、元風俗嬢のお客様に施術中、『そういう“生理現象”があったほうが、客もうれしいかもしれないよ』とアドバイスしてくれたことがありました。目からウロコでしたね」(Shuさん)
物腰柔らかにしゃべる2人だが、初体験の客の中には現れたキャストに対し気後れする女性も多い。その原因は、“男性は、女性を選ぶもの”という古来よりの固定観念にあるのではないだろうか。
「男性が選び、女性が選ばれる。だから女性用風俗でも、男性キャストが“選ぶ”ような姿勢で接するのではないか、と不安に思う女性は当然いるかと思います。でも、うちはその辺りの意識を徹底しています。選ぶのはお客様であり、キャストであるあなたたちが選ばれる立場である、と」(今井さん)
●これまで目立ったトラブルはないが…リスクは高いビジネス
これまでのところ、目立ったトラブルはない。
「何度も指名してくれて、会うたびに手土産をくれて、『あ、これは気に入られすぎているな』と思ったことはありますが、お客様も大人なので、それ以上のことはありません」(Shunさん)