選手も欧州などでプレーする選手が増え、ビッグネームと対戦することが日常となった。そういう一つひとつのファクターが重なり、相手の良さを消すだけでなく、日本の良さを存分に発揮していたように見てとれた。サッカーを応援するすべての方々に拍手を送りたい。
さあ今度は野球の番だ。エンゼルスの大谷翔平に続き、パドレスのダルビッシュ有、カブスの鈴木誠也の参戦表明はうれしい限りだ。前回のWBCから5年以上もメジャーリーガーと戦うことがなかった日本にとって、日常として戦っている選手が投打にいるのは心強い。「あなたの球は通用する」「ここは日本の強み」などを客観的に伝えられる存在は大きい。
サッカー日本代表は成田空港で多くの方々に迎えられた。野球の日本代表も3月にはそうあってほしい。栗山英樹監督はあらゆる可能性を模索して順位づけして決断できる監督である。采配一つひとつに根拠を持って示せる監督のもと、2009年以来の世界一を勝ち取ってもらいたい。
東尾修(ひがしお・おさむ)/1950年生まれ。69年に西鉄ライオンズに入団し、西武時代までライオンズのエースとして活躍。通算251勝247敗23セーブ。与死球165は歴代最多。西武監督時代(95~2001年)に2度リーグ優勝
※週刊朝日 2022年12月23日号