平成という時代が31年目の春とともに過ぎゆこうとしています。平成元年、みなとみらいに横浜博覧会閉幕後に開館したのが横浜美術館です。まさに平成と共に歩みを進めてきたと言えるでしょう。30周年記念の今年度はテーマに沿った3つの展覧会が順次開催され、国内有数の規模に収められた12,000点の収蔵品は「横浜美術館コレクション」と題して9月まで公開中です。

季節の花に彩られて
季節の花に彩られて

街とともに、時代とともに歩む美術館

みなとみらい…今では横浜の観光スポットとして定着しましたが、このエリアは横浜美術館が開館する前、1989年に開催された横浜博覧会のために開発されました。美術館の設計は、故・丹下健三によるものです。中央に展示室、左右にアトリエと美術情報センターと、教育施設としての美術館の役割を存分に満たしています。みなとみらいの街とともに、平成という時代の幕開けとともに開館した横浜美術館は、その始まりと同じように新しい元号になる今年にアニバーサリーイヤーを迎えることになるとは、不思議な巡り合わせですね。

みなとみらいと美術館全景
みなとみらいと美術館全景

今年のテーマは「美術でつなぐ人とみらい」

企画展は、「Meet The Collection アートと人と、美術館(~6月23日まで)」、「横浜美術館開館30周年記念 生誕150年・没後80年記念 原三溪の美術 伝説の大コレクション(2019年07月13日(土曜)から2019年09月01日(日曜まで))、「横浜美術館開館30周年記念 オランジュリー美術館コレクション ルノワールとパリに恋した12人の画家たち(2019年09月21日(土曜)から2020年01月13日(月曜)まで」の3つが予定されています。現在開催中の「Meet The Collection アートと人と、美術館」では、19世紀から現代までの12,000点の作品の中から約400点が展示されています。絵画や造形だけでなく、日本の写真発祥の地のひとつが横浜であることから写真の収蔵品が豊富なのも特徴の一つであり、楽しみですね。

横浜の美の殿堂
横浜の美の殿堂

「みて、つくって、まなんで」…くつろぎも!

横浜美術館では教育普及も盛んです。こどもから大人まで幅広い対象にアトリエやイベントで美術との接点を提供(詳細はリンクサイト参照)しているほか、美術情報センターには約11万冊の図書資料と、約580タイトルの映像資料が所蔵されていて、誰でも無料で閲覧することができるのも魅力ですね。展示を見て、美術を学んだあとはくつろぎタイムへ…併設のカフェ・小倉山では展覧会とのコラボメニューやちょっとお腹が空いたときにぴったりの軽食を、レストラン・ミュゼでは本格的なフランス料理のコースを楽しむことができますよ。
平成最後の日も、令和が始まってからも、美術館の理念「みる、つくる、まなぶ」は変わらないことでしょう。30周年を機にみなとみらいで芸術に触れてみてはいかがでしょうか。
《出典・引用》
横浜美術館公式サイト

コスモクロックは街のもう一つの象徴
コスモクロックは街のもう一つの象徴