
撮影地探し、薄暗い時間の撮影、構図、撮影モード……鉄道情報サイト「鉄道コム」で募集した鉄道撮影の悩みや疑問の数々に、櫻井寛と助川康史の二人の人気鉄道写真家がガチンコで答えます! 初歩的な質問が多いなどと侮るなかれ。実は奥深いテクニックが満載なのだ。「アサヒカメラ」2月号から鉄道写真対談をお届けする。
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■Q 京王線でいちばん撮りやすいスポットはどこですか?(東京都・松尾和輝さん)
櫻井:自分で探してください(笑)。いや、これが正しい答えだと思うんです。他人に聞いたり、インターネットで検索したりしてほしくないですね。「○○線の撮影地」と検索すると、すぐ出てくるじゃないですか。「他人が撮ったところで撮って何が面白いの?」と言いたいです。
助川:撮影地を見つける楽しみがありますよね。
櫻井:あえて言うと笹塚です。
助川:言っちゃった!(笑)
櫻井:今の季節なら夕日が落ちる富士山と一緒に撮れます。
助川:京王相模原線の永山のほうもいいですよね。
櫻井:いい撮影場所を探すにはまず電車に乗ることです。
助川:先頭車両の前にかぶりついて乗るとか。
櫻井:僕は太陽光線の具合によって、前や後ろに移動したり、途中で降りたり、引き返したりします。
助川:自分が気にするのは電柱と遮断機の位置関係。車内から見て、電柱が遮断機の内側にあると邪魔になりますね。古い踏切だとたまに遮断機が電柱の内側にあって、きれいに抜けた絵が撮れます。あと展望台や山があれば登る。もちろんマナーを守って、です。
櫻井:京王線といえば井の頭線もいいですよ。ローカルな写真が撮れます。
助川:高尾山口の近くもいいですよね。終日逆光ですけど、風景的に撮れますね。
櫻井:蕎麦もうまいし、京王動物園線もいいですよ。ラッピング電車がかわいいですよ。
――これ(上記)が質問者の写真です。
櫻井:京王線ならではの情緒感が欲しいですね。富士山や多摩川とか。多摩川の鉄橋はすごくいいですよ。
助川:あそこは朝から日が沈むまで撮れますよね。