■Q 薄暗い時間の撮影でのブレ防止対処法は?(埼玉県・E233K市民さん)
助川:写真を見るとオートで撮っている可能性が高いですね。手ブレしないシャッター速度で、なるべくピントが合う被写界深度になっているのではないかと。マニュアルが難しいなら「シャッター速度優先」で撮るとか。
櫻井:どんなに暗くても止める方法はあるので、もっと研究してみては?
助川:まず、感度を上げる。
櫻井:これで車両が止まっていたら普通の写真です。疾走感もあっていいブレ具合です。
助川:他の電車と並走しているのもいいと思いますね。ちなみに望遠にするとゆっくり見えるので多少はシャッター速度を稼げます。
櫻井:暗いなら暗いなりに撮ったほうがいいと思います。あえて明るく撮る必要はないでしょう。
助川:質問を見ていると、若い人ほど車体をはっきり見せる編成写真を撮りたがっている気がします。そうなると、いいボディーとレンズの出番。子どもだったらお年玉をためる、学生だったらアルバイトする。
櫻井:重要なことですよ。
■Q 鉄道と風景を撮る際の構図をどう決めていますか?(オートさん)
助川:まず、自分がどういう風景を撮りたいかの全体像を考えます。「日の丸4面構図」と言っていますが、画面を4分割してそれぞれの真ん中に列車を置くと、いいバランスになりやすい。どれか一つに電車を入れたら、後の3つのゾーンに風景とか、空気感を入れ込む。全体を見ること。電柱があろうが何だろうが、まず全体図を見て撮ります。
■Q オススメのピクチャーコントロールは?(白銀6000さん)
助川:ビビッドです。
櫻井:僕はスタンダード。ホワイトバランスは太陽光がほとんど。
助川:曇っていても、夜になるまでは自分も太陽光ですね。
櫻井:車内撮影だけはオートにしていますよ。
助川:車両によって変えることもあります。先日、晴天時の山陰(やまかげ)で「ななつ星」を撮ったんです。あの車体って青っぽく反射するじゃないですか。
櫻井:「ななつ星」は難しいなんてもんじゃない。
助川:そこであえて曇天を選びました。車体の反射する部分の色温度が高くなりがちで青っぽく写るので、古代漆色を出そうと少しでも赤みを出すために。
櫻井:デザイナーの水戸岡鋭治さんが手がけた車両はみんな撮りにくいんです(笑)。撮りやすいのは、真っ白な特急「ソニック」と黄色のキハ125など、誰でもわかる原色を使っている車両ぐらい。
助川:特急「かわせみ やませみ」も難しいですね。
櫻井:なかでも「ななつ星」は極端に難しい。「瑞風」よりも。「四季島」が比較的撮りやすいかもしれません。
助川:そのためにもピクチャーコントロールはとりあえずスタンダードがいいかもしれませんね。(笑)