※写真はイメージ
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 2015年には347億円という2001年の株式上場以来、過去最大の赤字額を記録した日本マクドナルド。どん底の状況にあったマクドナルドを、マーケティング本部長(当時)として見事に再生させた立役者の一人が、11月21日に発売されたばかりの新刊『マクドナルド、P&G、ヘンケルで学んだ 圧倒的な成果を生み出す「劇薬」の仕事術』の著者、足立光(@hikaruadachi)氏だ。本記事では、P&Gからブーズアレン、ローランド・ベルガー、ヘンケル、ワールドというキャリアで学んできたことを辿る同作のエッセンスを紹介する。

●「シンガポール・プリンシパル」を意識する

 私がコンサルティング会社に勤めていた頃、膨大な仕事量に追われ、高いクオリティーを求められ続けるという、圧倒的にハイ・ストレスな状況で働くことになりました。

 しかし、私はストレスなく仕事をする「すべ」を学ぶことになります。それは端的に言えば、そもそもストレスがないような考え方をする、ということです。

「シンガポール・プリンシパル(シンガポール原則)」という言葉があります。どこで学んだのか覚えていないのですが、とても腹落ちしました。それは、何か嫌なことがあったときは、出て行く、ルールを変える、我慢する、の3つしか選択肢がない、という考え方です。

 シンガポールでは、道に唾を吐くと、むち打ちの刑だか何だか、とても厳しい罰則があると言います。日本で生活する人にとっては、びっくりの法律かもしれません。しかし、これはルールなので、シンガポールに行ったら従うしかありません。これが嫌なら、シンガポールから出て行くか、ルール(法律)を変えるか、我慢するか、の3つしか選択肢はない、ということです。

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コントロールできることしか考えない