カメラマンの父親が、2人の息子の成長を足かけ3年にわたって撮影した写真日記だ。

 たっぷり撮ることができたのは、仕事が減り、家にいることが増えたから。そうなると男は塞ぎ込んだりするものだが、著者は飄々と、子供たちとのことを書き添えた写真をブログに投稿し続けた。

 短い文章にユーモアが凝縮されている。〈下の子に、「ママって呼んでるけど、ママの本当の名前知ってるか?」と聞いたら、「奥さん」って答えた〉という具合。家に花が飾ってあれば「なんぼしたん?」と嫁と口論。恐妻家をよそおいつつも「ブログに載せんといてや」と念押しした嫁の鼻ほじり、洗い立ての義母の下着の柄まで披露。気取りがない。隠し事がない。恐れを知らない。爆笑しつつ、大逆鱗にふれないか、ひやひやしてしまう。

週刊朝日  2018年2月23日号