早稲田大には、市立船橋、西脇工業、世羅、洛南といった駅伝古豪高校がそろう。早稲田は大学ラグビー同様、レギュラーに公立進学校出身者が数人入っているのが特徴だ。2018年は愛知県立時習館、2017年は愛知県立明和の出身選手がいる。

 なお、公立高校出身選手には、鈴木健吾(神奈川大、宇和島東)、磯田和也(法政大、谷)、近藤秀一(関東学生連合=東京大、韮山)、溜池勇太(関東学生連合=宇都宮)などがいる。
 
 いま高校駅伝の強豪校はどこなのか。2017年12月24日に行われた第68回全国高校駅伝(男子)の結果は、次のとおりだ。

(1)佐久長聖、(2)倉敷、(3)仙台育英、(4)大分東明、(5)一関学院、(6)浜松日体、(7)札幌山の手、(8)須磨学園、(9)九州学院、(10)水城

 同大会で1区区間賞の中谷雄飛(佐久長聖)は早稲田大に推薦入学が決まっている。

 全国高校駅伝の優勝回数は、(1)世羅9、(2)西脇工業8、(3)小林7、仙台育英7 、(5)報徳学園6、(6)大牟田5となっている。

 箱根駅伝エントリー選手の出身校と、全国高校駅伝の上位入賞校はリンクしているが、ピタリとあてはまるわけではない。高校時代のトップアスリートがそのまま箱根駅伝で活躍するとは限らない。

 また、駅伝では無名の高校出身や、高校時代は無名だった選手も、箱根でブレークすることがある。東洋大の「山の神」柏原竜二(いわき総合)は、高校時代に好成績を収めたが、スカウトが押し寄せるほどスターではなかった。だから、箱根駅伝はおもしろい。

 箱根駅伝は視聴率30%近くを稼ぐ国民的イベントであるにもかかわらず、参加校は関東の大学に限られている。高校駅伝で好記録を出す高校生は西日本にたくさんいる。しかし、高校生トップアスリートたちは箱根駅伝に出場したくて、みんな関東の大学に進んでしまう。

 いま、箱根駅伝を主催する関東学生陸上競技連盟では2024年の第100回大会から全国化することが検討されている。当然であろう。遅きに失した感がある。全国化によって、日本の大学陸上界、いや、日本の陸上界全体が盛り上がってほしい。(教育ジャーナリスト・小林哲夫

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