
AERAの連載「午後3時のしいたけ.相談室」では、話題の占い師であり作家のしいたけ.さんが読者からの相談に回答。しいたけ.さんの独特な語り口でアドバイスをお届けします。
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Q:昨年9月に実母が死去しました。急性硬膜下血腫で意識不明のまま1年半入院していたので、覚悟はできていると思っていて、葬儀直後に台風で断水と非常事態なこともあり、考えたり動けたりしました。10月に少し落ち込み休養、その後回復したと思っていました。が、最近少しのことでイライラしたり集中が困難だったりしています。悲しみにひたらなかった影響なのか、解決の糸口がほしいです。(女性/自営業/39歳/てんびん座)
A:お別れや死別といった喪失のダメージは、様々なダメージの中でもトップクラスのダメージではないかと感じます。
なぜ喪失のダメージはこんなにも大きいのか。僕なりに考えると、それはその人がもう「地続きで存在しない」ことのダメージではないかという気がします。喪失する前は、もし相手が寝たきりのような状態であったとしても、その存在は現在と地続きのものです。その人がそこにいて、温もりや記憶がある。
でも喪失という一線を越えてしまった時、すべてが過去になってしまう。それがダメージとしてのしかかってくるような気がします。
葬儀直後に、台風や断水などの非常事態があったということですが、一時的にそれで乗り切れたとしても、やはりその波は必ず後になってやってきます。今現在のほうが、この方にとっては非常事態なんじゃないかなと思うんです。
結論としては、心療内科やカウンセリングにいくことをお勧めします。
不思議な話で、人は、自分自身が置かれたつらさをなかなか認めることができません。
「私の頑張りが足りないからだ」とか「これさえ乗り切っちゃえば大丈夫」と限界を乗り越えようとする。
誰かに言ってもらって初めて「あ、自分はつらかったんだ」と認められる。一種の儀式みたいなもので、自分一人ではそこに到達できないんです。