AERA 2023年5月1ー8日号より
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 インフレ、原材料価格の高騰などを背景とした、値上げラッシュが止まらない。4月は5千品目を超え、2月に次ぐ多さだ。いつまで続くのか。AERA 2023年5月1-8日合併号の記事を紹介する。

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 新年度入りのタイミングは、法律や公共料金の改正、新制度の導入などを実施する好機だ。3月決算が主流である民間企業にも同様のことが言えるようで、今年の4月には多方面で商品・サービス価格の改定(値上げ)が続出した。その背景には、世界的にインフレ(物価上昇)が顕著になっていることがある。

 実際、4月を迎える前から国内でもインフレの傾向が続いてきた。総務省が3月末に発表した消費者物価指数(東京都区部の3月分の中旬速報値)は、前年同月比で3.3%の上昇を記録した。最も上昇していたのは生鮮魚介の14.3%増。次いで、ガス代(12.3%増)、乳卵類(11.6%増)の順となっている。

 唯一の例外は、電気代のマイナス6%である。政府は「電気・ガス価格激変緩和対策」として、今年2月以降請求分の電気料金の一部を補助しているからだ。ガス料金も対象となっているものの、その補助額は電気料金のケースよりも小幅であるため、マイナスには至らなかった模様。とはいえ、補助がなければ上昇率がもっと高くなっていた。

 多くの人々が値上げラッシュを実感したように、4月28日発表予定の消費者物価指数(同、4月分の中旬速報値)も、前年同月比でプラスとなるのはまず間違いないだろう。

 3月の項目別データでも顕著であったように、特に食品関連の多くは高い上昇率を記録しそうだ。そのことを示唆しているのは、東京商工リサーチが実施した「主要食品メーカー200社の『価格改定・値上げ』調査」である。

AERA 2023年5月1ー8日号より
AERA 2023年5月1ー8日号より

■4月は2月に次ぐ

 同調査によれば、今年出荷分における200社の価格改定商品は1万8331品目に上り、全体の7割超に達する141社が値上げを公表しているという。しかも、調査を行った時点で4月には5075品目の値上げが予定され、その数は2月(5470品目)に次ぐ。

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