本誌恒例の特集「大学合格者ランキング」は1973年に始まった。受験戦争をあおると批判を浴びつつも根強い人気を保ち、毎年あの手この手を使って特集を組んできた。その歴史を振り返る。
【図表】受験報道の50年史。週刊朝日に掲載された主な受験・入試関連記事の見出し(1973~2023)はこちら(3枚)
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雑誌文化は戦後、団塊の世代と共に花開いていったといわれる。これに合わせて隆盛したものの一つに、大学進学率の高まりがある。
戦前は大学など高等教育機関の進学率が約5%だった。そして1958年には8.6%だった大学進学率が、76年には27.3%と3倍以上へと一気に膨らんだ。
この社会背景と共に過熱していったのが、受験報道だ。
特に日本で最初に創設された大学で、今でも頂点の存在として見なされる東大合格者報道においては顕著で、その特集が週刊誌で組まれたのは64年の「サンデー毎日」が最初だといわれている。本誌では73年から特集が始まり、実に半世紀の歴史がある。
この間、受験シーズンとその直後に掲載された特集を見ると、東大以外も含めた大学合格者ランキングは300回以上、受験関係の記事は450本以上に及ぶ。主な記事の見出しをまとめた。
さっそく年表を上から見ていこう。
ランキング第1号は73年3月23日号の「私立大学合格者高校別一覧 同志社大ほか」だ。次週の3月30日号では東大、京大、慶大ほかの高校別の合格ランキングが掲載されている。この号は発売日をずらして、東大・京大合格者の結果を突っ込んだ。
3月9日号には「受験生に大もての上智大学三つの秘密」という特集も組まれている。当時、偏差値が上昇していた上智大にスポットを当てた。
また、当時は東大合格者数1位ではなかった開成(東京)や、ラ・サール(鹿児島)に水をあけられていた久留米大附設(福岡)の躍進ぶりを伝える記事も目立つ。
ほかにも、かつては新聞で扱うような大学の入試問題の解説記事や、高校や中学入試の問題が誌面を飾ることもあった。
受験報道が一気に過熱するのは、76年から。「東京大学合格者全氏名・出身高校別一覧」(4月2日号)という特集がこの年から始まった。