まもなく入社シーズン。今回は、春から新しく社会人になる人たちのために、経済ニュースを理解するために必須の10の知識について、『会社に入る前に知っておきたい これだけ経済学』の著者・坪井賢一氏に教えてもらった。
●財政政策と金融政策の違いとは?
経済ニュースを読み解くためには、まず基本的な用語の意味を理解しておく必要がある。ニュースでよく耳にする以下の用語について整理しておこう。
1.歳入
政府(国と地方を含む)の収入すべてを歳入という。歳入の多くは税金だ。
2.歳出
政府の支出すべてを歳出という。公的サービスを行なうために支出する。国民へお金を分配することだともいえる。道路などのインフラ(社会基盤)は政府や地方自治体が整備するが、これを公共投資という。民間企業が建設を請け負うので、公共投資の時期や金額は企業経営に影響を与える。
3.社会保険
公的な保険全般のこと。一定の要件に該当する者は強制加入だ。医療保険、年金保険、介護保険、雇用保険、労災保険があり、税と同様に徴収される。個人(家計)から見ると、政府へ保険料を支払い、公的サービスを受けるという仕組みだ。一部を勤務先の企業が負担している。医療保険は、公務員と民間企業社員は個別の組合が管掌し、その他は国民健康保険として政府が管掌している。
4.財政政策
財政政策とは、景気を調整するために、国の歳入と歳出をコントロールする政策のこと。財政政策は政府の役割である。
5.金融政策
金融政策は、日本の中央銀行である日本銀行(日銀)の役割だ。景気調整と物価安定を目的とした経済政策である。