
西武と中日が夏場を迎えて息切れを起こし始めた。今季の両チームはAクラス入りを予感させる戦いを見せていたが、ここに来て下降線を辿っている。シーズン終盤戦を迎えた中、「もう一踏ん張り」を期待する人は多い。
お盆休み最終日となった8月17日、西武と中日は共に現状がわかるような逆転負けを喫した。
西武はオリックス相手に5回までに「6-0」と大量リードも満塁弾等で追いつかれ、延長12回にサヨナラ弾を浴びた。中日もDeNAに対し2点リードして迎えた8回に同点にされ、延長12回に勝ち越し点を奪われた。
「勝負弱さを露呈した。Aクラス入りして日本一へ希望を繋ぐためにも、1戦ずつ大事に戦わないといけない。最悪でも引き分けて、負けだけは許されない状況で(試合を)落としてしまう。上に行けないチームの典型と言える」(スポーツ新聞野球担当)
この時点で西武、中日は共にリーグ5位まで順位を落としている。最下位に沈むロッテ、ヤクルトの今後次第だが、「昨年同様(中日は3年連続)に“最下位”が見えてきた」という声も聞こえる。
「『ロッテがいるので最下位はない』と言われるが、目指すのはそこではない。若手の成長を促し、数年後に黄金時代を築けるようなチーム作りをしている。目先の試合に全力を注いで欲しい」(西武OB)
西武には光も見えつつある。今季は開幕直後から少ない得点を守り抜いて勝ち星を重ね、2位になった時期もある。西口文也監督の「新人監督らしからぬ采配」も取り上げられた。
「投手陣は揃ってきて戦える手応えはある。課題とされる野手陣も1番に西川愛也が定着、新人・渡部聖弥も将来性を感じさせる。滝澤夏央がレギュラーを争い、タイラー・ネビンも当たった。あと数人出てくれば、さらに怖い打線になる」(在京球団編成担当)
投手陣はエース・今井達也、隅田知一郎、菅井信也などが先発として奮闘。ブルペン陣も新加入右腕のトレイ・ウィンゲンターがマウンドに立ち続け、試合を終盤まで作れている。
野手陣も滝澤などの若手が成長。8月上旬に西川が右肩の違和感で離脱したのは痛手だが、村田怜音が手応えを掴みつつある。若手が実戦経験を積み重ね、キャリアある中堅、ベテランと噛み合えば希望はある。