
終戦から80年となった節目の年の8月15日、政府主催の全国戦没者追悼式が日本武道館(東京・千代田区)で開かれ、戦没者の遺族や天皇、皇后両陛下、石破首相ら約4千人が参列した。天皇陛下はおことばに「戦中・戦後の苦難を今後とも語り継ぎ」という言葉を新たに加えられた。“語り継ぐ”担い手のひとりは天皇、皇后両陛下の長女・愛子さまにあるのではないかと、愛子さまが生まれた2001年から皇室番組を担当する、放送作家のつげのり子さんが紐解く。
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「天皇皇后両陛下と愛子さま 長崎原爆の日にあたり黙とう」
などと、天皇、皇后両陛下が黙とうささげる報道の見出しに、「愛子さま」も“登場”するようになったのは、ここ最近のこと。
6月23日の沖縄戦終結の日、8月6日の広島原爆の日、8月9日の長崎原爆の日、8月15日の終戦の日を「忘れてはならない4つの日」として、天皇ご一家と上皇ご夫妻はこの4つの日に毎年黙とうされている。
そんな愛子さまに、平和を願われる気持ちが人一倍強いと感じているのは、愛子さまが生まれた2001年から皇室番組の放送作家を務めるつげのり子さん。それは、小さな頃から、「4つの日」に黙とうをささげてきた上皇さま、美智子さま、そして両親である天皇陛下、雅子さまの背中をずっと見てこられたからだという。
「日本人が忘れてはならない“4つの日”に必ずお住まいで黙とうをささげられていますが、そうしたご両親の姿を毎年、愛子さまは見てこられています。上皇さまや美智子さまから戦中、戦後の話を聞いたり、ご家族の中で自然に平和の大切さのを意識づけが行われてきたのは間違いないと思います」
戦後70年の特別企画展での愛子さまは
そのような環境で育った愛子さまは学習院女子中等科2年のとき、戦後70年の特別展に足を運ばれた。そのときの様子は、つげさんの記憶にいまも残るほど印象的だった。2015年は、日本はちょうど戦後70年あたる年。世界に目を向けると、その前年にはクリミア危機が起きていた。