川端は2015年には首位打者を獲得するなどチームの優勝に大きく貢献。その後は故障もあって近年は代打での出場が多くなっていたが、それでも21年には93打席で打率.372、23年にも105打席で打率.319という成績を残しており、その打撃技術の高さを見せ続けてきた。
しかし、プロ20年目となる今年は二軍でも打率2割台前半と低迷。8月に入ってもいまだに一軍昇格を果たせない状態が続いている。ヤクルトは生え抜きの功労者と言える選手が比較的長くユニフォームを着続けるケースも多いが、チームは最下位に低迷しており、世代交代の必要も叫ばれているだけに、現役続行のためには残りのシーズンでしっかり戦力となることをアピールする必要があるだろう。
島内は2017年から6年連続で100安打以上を放つなど中軸として活躍。2021年には球団創設以来初となる生え抜き選手の20本塁打をクリアし(21本塁打)、22年には161安打で最多安打のタイトルも獲得した。
しかし翌年以降は成績を落とすと、4年契約の最終年となった昨年はわずか40試合の出場で28安打に終わり、オフの契約更改では7500万ダウンとなる推定年俸4500万円で残留。今年も開幕から二軍生活が続き、5月20日に一軍登録されたものの11打席でノーヒットと結果を残せずに、30日には登録を抹消された。救いは二軍で打率.289という結果を残していることだが、2年連続で一軍の戦力になれていないことを考えると、その立場はかなり苦しいと言わざるを得ないだろう。
他にも平野佳寿(オリックス)、栗山巧(西武)、松山竜平(広島)、美馬学(ロッテ)なども大ベテランながら結果を残すことができていない。栗山、松山の2人はその球団一筋であり、人気も高いが、チーム状況を考えるとこのままの成績では現役続行は難しいのではないだろうか。今回名前を挙げた選手たちが来季どれだけ生き残ることができるのか。ベテラン選手の踏ん張りに注目してもらいたい。
(文・西尾典文)
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