ロッテ・坂井遼(撮影/写真映像部・上田泰世)
ロッテ・坂井遼(撮影/写真映像部・上田泰世)

「準優勝だからいいでしょ」の後悔

 坂井の高校野球は敗戦で終わったが、決勝まで進んだことで「達成感」すら感じてしまったという。この思いは今、反省点でもあると話す。

「そもそも決勝に行けるとも思っていなくて、決勝戦が終わった瞬間は『準優勝だからいいでしょ』と思ってしまったんです。時間が経ってから振り返ると、そう考えてしまうマインドや満足してしまうことが最後の勝ちに足りなかったのだと」

プロ野球選手となった今、環境が大きく変わり、気を引き締める毎日だ。プロで戦える体づくりのため、体重は20キロ近く増えた。

「ただ増やしてもだめで、今は新しい体をどう動かすか試行錯誤中です。球速も出ないですし、まだまだプロの壁を感じる前の段階にいると思っています」

今、山本由伸、佐々木朗希といったメジャーリーガーの活躍にあこがれる。やはり目指すは「右の本格派」。現状に満足することはせず、じっくりとプロの道を歩み始めている。

(AERA編集部・秦 正理)

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