
今春に放送されたドラマ「ジョフウ 〜女性に××××って必要ですか?〜」(テレビ東京系)のように、近年、映像や漫画作品のテーマとして「女性用風俗」が取り上げられることが増えている。女性たちの間で認知とニーズが広がる中、中高年の利用者も一定数いるようだ。年齢を重ねた女性たちは、風俗に何を求めるのか。“女風(じょふう)”の利用者やセラピストの話から、女心のリアルに迫る。
* * *
「初めは純粋な興味でしたね。どんな世界なんだろうって」
西内麗子さん(仮名/60歳)は、2年前に初めて“女風”を利用した時のことをこう振り返る。SNSをきっかけに存在を知り、持ち前の好奇心がうずいたという。50代になってから、夫のEDによりセックスレスに陥っており、満たされない心を埋められるかもしれないという期待もあった。
とりあえず、業界で名の通った女風のWebサイトで、ルックスに惹かれた当時24歳のセラピストを指名した。
「ホテルに入るとすごく緊張しましたが、セラピさんが朗らかな子だったおかげで素敵な時間を過ごせました」
西内さんが若き日を謳歌した1980年代は、「男も女も肉食系」だった。インターネットはなく、出会いはリアルの場のみ。好みの異性を見つけると、みな必死で口説いていた。恋愛や性に貪欲だった時代の記憶があるからこそ、60歳手前で出合った女風にもそこまで抵抗を抱かなかったのかもしれない。
西内さんは以降、月に1度のペースで女風を利用するようになった。そんな中、夫が病で倒れ、自宅介護の日々が始まった。
「介護に明け暮れる中、女風は息抜きの場でした。1回2万~3万円かかるんですけど、月に数回利用することも。夫を傷つけたくなくて、最後まで秘密にしていました」
介護生活は、夫が亡くなったことで1年2カ月で幕を下ろした。