モゲチェックではメガバンク、地銀、ネット銀行が提供する変動金利の住宅ローンの適用金利の平均値を長年にわたって集計してきた。そのデータをもとに、「借り換えメリット」の目安を数値化している。いずれも、ローン残高を3000万円とした場合の数値だが、借り換えにかかる事務手数料や保証料、印紙税、登録免許税、司法書士への報酬などを差し引いたうえでの“メリット”である点に注目したい。

2018年にメガバンクで変動金利の住宅ローンを組み、残年数28年、残り元本3000万円の人が借り換えを行った場合には111万円のメリットが発生する可能性がある(上の表)。一方、地銀で同じく18年にローンを組んだ人ならば、同条件の場合、224万円もの借り換えメリットが発生する可能性があるのだ(下の表)。

「お得になる人は一定数いる」
「これは適用金利の平均値をベースにしたものなので、平均値よりも高い金利でローンを組んでいる人ならば、さらにメリットは高くなる。また、残り元本がもっと多いようならば、借り換えメリットは増える。残り元本が6000万円なら、単純に倍。地銀で2018年に組んだ人ならば、448万円のメリットが生じる可能性があります」(同)
もちろん、最も有利な金利(最優遇金利)で借り換えられたら、という仮定のもとで弾き出したメリットだが、塩澤氏は「お得になる人は一定数いる」と話す。
「大前提は、収入を落とさないこと。最初にローンを組んだときよりも、収入が増えているようなら、有利な金利で借り換えられる可能性が高いでしょう。また、夫の収入が減ってしまっても、もともと夫の単独ローンだったものを夫婦の収入合算で申請すれば、審査が通りやすくなることもある」(同)
とはいえ、「収入が上がったら」とタイミングを探れば探るほど、メリットが薄れる可能性がある点には注意したい。借り換えはローン残高と残年数が多いほど借り換えメリット額が大きくなるからだ。
(ジャーナリスト・田茂井治)
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