「おふざけ」が目立った今年のオールスターは賛否両論?
「おふざけ」が目立った今年のオールスターは賛否両論?
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 NPBオールスターゲームはバラエティ色が強い、文字通りの花試合”(※)になってしまった。選手達にとっては「プレーや服装、発言などで周囲の笑いを取ること」が主目的のように見えてしまう。(※勝ち負けにこだわらない顔見せ興行)

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 NPBオールスターゲームが年々、評価しにくいものに変貌している。今年は7月23日に京セラドーム大阪、24日に横浜スタジアムで開催されたが、グラウンド内外で「おふざけ」に近いものが目立ったからだ。

 練習では裏方スタッフまでが西武ファンの間で流行っているクソデカネックレス”着用。試合中の選手は中継局が用意したマイクを着用してプレーした。日本ハム・新庄剛志監督の提案で、パ・リーグの打順は選手が「ガラガラポン」で抽選して決定。同監督はデジタル表示ができるサングラスを着用して指示を出した。

 グラウンド上の選手・スタッフ、そして一部の野球ファンには「笑えた」イベントだったようだ。しかし、当日の様子に対して疑問を唱える声も決して少なくない。

「少し遊びが目に余る。(中略)ゲームの緊迫感を阻害するのはゲームの意味をも無くしてしまう。…オールスターの存続が不安だ」(俳優・渡辺謙氏のX投稿)

 世界的俳優であり、阪神をこよなく愛する「野球好き」の渡辺氏。エンタメの深部まで知り尽くした男にとっては中途半端な出し物”に感じたのかもしれない。

「あの点差になったらもう出る必要がない。そんなもんすよ」(新庄監督)

 当事者の新庄監督が、試合展開を踏まえて空気”を読んだ発言をしたのも印象的だった。2戦目は2回までにパ・リーグが6得点を挙げたことで、演出はもちろん三塁コーチに立つことも控えた。

「リラックスムードがあるのは良い。MLBオールスターでもベンチ内には笑顔が溢れている。しかしプレー中の選手は、シーズン中同様の真剣モードを保っている。その部分では日米間に違いを感じる」(パ・リーグ球団OB)

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